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ついにやってきた、夏祭り当日。



「…………はあ…」


「ちょっと!くらーい!」



ここだけなんかじめじめしてるんですけどーー、と叫んでいる日葵はお祭りが開催される神社の入り口に仁王立ちしている。



「せっかく私が可愛くしたのに!その沈んだ顔じゃ台無しじゃん!」


「それはとっても感謝してます…」



いつもはストレートの髪がくるっと巻かれてハーフアップにされていて、軽くメイクもしてくれた。



「もう、ふたりともなにしてんのさー!」



お祭りを目の前に叫ぶ彼女は、たくさんの人にじろじろと注目されている。



「っよし、今日は涼のことは忘れてお祭り楽しむもんっ!」


「忘れちゃだめだけど……羽衣も少しは元気になったことだし、行こっか!」


「うん…っ!」




…涼は、今頃ーーー



胸につっかえたものはあったけど、それを無視して目の前の屋台に意識を集中させた。