「……いっしょに、夏祭り、行ってくれませんか」
日葵はちょっと目を見張ったあと、眉を下げて困ったように微笑んだ。
「……わかった。仕方ない」
何も聞いてこないから、たぶん日葵には全部、分かっているんだろう。
ーーーーーーーーー
ーーーーー
自分だけ重苦しい気持ちを抱えたまま、やっと一日が終わろうとしている。
「……あ、やっと来た」
「……っえ、なんで」
今、一番会いたくなかった人。
なんでそんな校門の前に突っ立っていたの。
「やっと来た」なんて、
ーーまるでずっと、私のことを待っていたみたいに。
そんなこと言わないでよ。