私は、涼ともう一度“幼なじみ”として仲良くなりたいのか。
それとも、…。
「ーーとにかく、当日は浴衣着てりんご飴ペロペロしてこい!」
「りんご飴はかじるものでしょ……」
「そうすれば必ず落ちる。いや、もう落ちてるんだっけ」
だからなんの話?と首を傾げても、「んーん、べつにー?」とはぐらかされてしまった。
べつに、って……なんだか涼みたい。
そう思ったとき、昨日の夕方の出来事が頭によぎった。
そういえば、涼眠そうだったな。
あの時寝ぼけていたから、良い返事を貰えたんだろうか。
そう考えたら、寝ぼけって怖い。
もしかしたら忘れているんじゃ……っ!?と思ったけど、そこまで涼の寝ぼけはひどくない気がする。
『……おやすみ、』
気がつけば、無意識に昨日涼の手がのせられていた頭に触れていた。