*




ーー今の私には眩しいくらいの朝日に、目が覚めた。



「……もう朝」



すずめがチュンチュンと仲良しそうに鳴く姿に、やんわりと顔が解れる。


……泣き腫らした後のぐしゃぐしゃの顔のままだけど。





あの後、どうやって帰って来たのかよく覚えてない。


分かってるのは、涼と幼なじみじゃなくなったということだけ。


悲しくて、ショックで。泣いて泣いて泣きまくった。次の日まぶたが腫れることなんて気にせずに。


……それで、泣き疲れてそのまま寝ちゃったんだっけ。



小さい子供みたい、と思いながら昨日の記憶が蘇ってきて、じわりと瞳に膜が張られた。



『ーーー俺は、羽衣のこと一度も幼なじみだなんて思ったことない』



まさか、幼なじみとしてすら見られてなかったなんて。


涼にとって、私は何だったんだろう。


この関係を必死に保とうとしていた自分がばかみたい。


……でもどうせ、いつかは訪れる未来だって分かってた。それが少し、早くなっただけ。


……最初に仮にも冗談として言い出したのは私、だし。



今さら、後悔しても遅い。



分かってた、分かってた……けど。



「……っ、ぅ」




早めに目が覚めてしまったから、学校までまだ時間はたっぷりある。


だけど、止まることを知らないこの涙に早くやんで、と願って。



「……っ、涼……」



ーー涙から、涼への気持ちがどんどん溢れている気がした。