「……涼は、私と幼なじみをやめること、嫌じゃないの……?」



どうしても「嫌だよ」って言って欲しかった。縋るように目で訴えた。……けど、



「……嫌じゃない。むしろ清々する、」



待っていたのは欲しかった言葉とは真逆のセリフ。


……どこかでまだ涼を信じていた期待が崩れ落ちる音がした。



「……っ、」



なんで、なんで。さっきからこればっかり。


……別人みたい。

清々する、なんて一番聞きたくなかった。


でも、それ以上に聞きたくない言葉が降ってくるなんて思っていなかった。



「ーーー俺は、羽衣のこと一度も幼なじみだなんて思ったことない」




ーーずっと我慢していた涙が、ぽろりと一粒、頬をつたってこぼれ落ちた。