それに、いつも涼を囲っている女の子たちは美人な子、可愛い子なんて学校で有名な子たちばかり。それこそ入りづらい。
ーー私なんて、同じ土俵に立つ資格すら持っていないから。
「まーた、ひねくれたことですこと。もうっ、今年はちゃんと夏祭り誘え!そして告れ!?」
「……さっき、『私のこと応援する』的なこと言ってくれたよね?」
「なんのこと?」
「……」
ーーだって、幼なじみから抜け出したら、その先に何があるか分からないから。
確かに、私は相当ひねくれた面倒くさい女みたいだね、日葵。
「ーーまあ『告れ!?』は冗談だとして、ちゃんと夏祭り誘いなよ?」
幼なじみとしてでいいから、……うじうじしてると、他の女の子に取られちゃうよ?
羽衣はそれでいいの?
……優しい気づかいと厳しく突き付けられる現実に、言葉がうっと詰まる。
「……わかってるよ。ちゃんと、誘うよ……夏祭り」
幼なじみとして、ね。
「……うん。がんばれ」
「……浴衣は、わかんない、けど」
「日葵さまがコーディネートしてあげよう」
どん、と自信たっぷりで胸の前に手をおかれちゃ、もう降参だよ。
それじゃあ頬杖をついて、シュミレーション開始。
今日の帰りにでも言おうかな、それとも放課後に家に行って話す?
ーーどうしたって、意識せずにはいられないんだ。
今年もりんご飴食べたいなーー……
とかなんとか思っていると、
「ーーー羽衣」