「うーん……たぶん」
いつも「行こう!」とか約束してなくて、なんとなくのノリだから分からないけど。
今年はいっしょに行こうって誘ってみようかな……。
あと一ヶ月もある予定に期待に胸を膨らませていると。
「えー…やっぱり君らラブラブじゃん」
「……だから違うもん」
「いや、だって今日の朝もなに?距離近すぎない?」
幼なじみって言われても納得できないよ、と言う日葵にちょっとむすっとする。
だって幼なじみなんだから。ずっと。
日葵はそんな私を察してくれたのか、ちゃかすのを止めてくれた。
「……今年は告白、しないの?」
「……幼なじみは、やめられないよね」
力なく笑った私に、日葵は少し困ったように眉を下げた。
「……そっか。でもつらくなったら私にちゃんと相談してよね?」
「……ありがと、日葵」
無理強いせず、あったかい太陽みたい。心がぽかぽかと温かくなった。
「なんせ、羽衣チャンは片想い歴約8年の、ちょーっと拗れたかわいい私の親友だからね」
「……今のでちょっと良かった雰囲気台無しにしたよね」
「まあまあっ、そこは気にせずに、ねっ!」
ねっ、って……あはは。
でも私は、いつも日葵のそんなところに助けられてる、と思う。