ー……
「んーーっ!つかれたあ……」
ぐいーっと伸びして、机にべたっと張り付く。
授業のスピードが速くて困っちゃう、 もう へとへとで家に帰ったらすぐにベッドにダイブしたい。
ついでに眠くて、うつらうつらになっていた視界で、こっちに向かってくるひとりの親友の姿が見えた。
「おつかれ~!」
「おつかれ日葵……」
へとへとじゃん、と私のほっぺたをつんつんとつつく彼女は、まだまだ元気が有り余っているのかなんなのか。
その元気を分けてほしい、と心の中で羨んでいると、日葵が何か思い出したようなそぶりを見せた。
「ねえねえ、羽衣は今年も夏祭り行くよね?」
え……?
いきなりなにかと思えば……。
「……まだ6月だよ……?」
「“まだ”じゃなくて“もう”の間違いだよ!」
なぜかめらめらと燃えているような、そんな勢いの圧に若干気圧される。
夏祭り、かあ……。
「去年は涼といっしょに行ったなあ……」
りんご飴がすごく美味しかった気がする。なんとなーくふたりで歩いて、食べたいもの食べて、金魚すくいなんかもしちゃったりして。
あ、そういえば、涼のお面姿面白かったなあ。花火もすごく綺麗で。
……もうすでに、“幼なじみ”としてのお出かけだった。
「やっぱり今年も立花くんと行くの?」