掃除を終え、先を急ぐ紗良の背中を見つめながら、長めの息を吐いてその場に座りこんだ。


酷く疲れる。

勘が鋭い紗良に怪しまれないようにコソコソ動くのも、自分の気持ちを押し殺すのも、千崎くんの力になれていない現状に申し訳なく感じるのも、色んな感情がグルグルと目まぐるしく動いていて、心が折れそうだ。

恋のキューピットを引き受けてまだ1週間しか経っていないのに、1ヶ月全力でやった気分。


今日は月曜日だ。

千崎くんと約束した、週1での恋のお楽しみ会が待ってる。

……今のところ全然楽しくはないけど。


どうしよう。
全然使えないじゃん、とか言われたらどうしよう。

私今のところ何もできていない。
千崎くんのメリットになること何もしてあげられてない。


不甲斐ない。
恋のキューピットなんて名乗るのもおこがましい。