「お待たせ」
「ありがとう〜」
紗良は私の手からグラスを受け取り、「お菓子〜」と早速お菓子を1つ手に取り封を開けて口に入れようとしている。
図々しいなぁ、と笑いながらイスに座って私も野菜ジュースを飲む。
お菓子を片手に、空いている片手で宿題をペラペラと捲っている紗良は「数学って毎度宿題多くない?」と早速まだ1度も手をつけられていない宿題に文句を言っている。
「昨日、千崎くんちゃんと送ってくれた?」
野菜ジュースをちまちまと飲みながら聞いた。
私のほうは向かず、宿題をまだ意味もなくペラペラと捲りながら紗良が口を開く。
「うん、送ってくれたよ」
「……そっか、よかった」
「そこ心配してたの?千崎は誠実だからちゃんと送ってくれるよ」
「紗良も、そう思うよね」
「え?うん、誠実でしょ。
約束事は守ってくれるし、気遣いもできるじゃん?ほら、遊園地の時もチケット先に買っててくれたし、最初に苦手な乗り物あるか聞いてくれたじゃん。ああいうスマートに気遣いできる人って中々いないよね」
ついさっき野菜ジュースを口に含んだのに、もう口の中が乾いてくる。