その時、ピーンポーン、と家のチャイムが鳴った。

私はノートを閉じて元の場所に雑に戻すと、部屋から出て玄関扉を開けた。



「よっ、昨日ぶり」

「びっくりした……昨日ぶり、紗良」



身軽な半袖半ズボンの紗良が、夏休みの宿題をカバンにも入れずに直で手に持って現れた。



「宿題捗らないから一緒にやろうよ」

「いいね」



すぐに頷いて、紗良を家の中へと促した。



「って言っても私もうすぐ終わるよ」

「えっ、早っ!」



紗良は苦い顔をして「宿題を早く終わらせれる人間の気が知れないわ〜」とボヤいている。