そこで、遠野くんがテーブルにずいっと身を乗り出して質問する。
「でも、実際どうなんすか? パイロットってめちゃくちゃモテるでしょう。まだ独身なのが信じられない」
それは私もずっと不思議に思っている。ハイスペックな職業に就いているだけでなく、容姿は抜群で性格もよさそうなのに、なぜいまだに独り身なのか。
女性が放っておかないはずなのに、と私も気になって注目していると、相良さんは一度宙に目線をさ迷わせてから口を開く。
「俺は……」
彼がなにかを言おうとした時、出入り口のドアが開いて男性客がやってきた。そちらに目をやったゴンさんたちが「社長!」と声をあげる。
どうやら知り合いらしく、ゴンさんと遠野くんは渋々といった調子で腰を上げる。
「悪い、ちょっとだけ外すわ」
「すみません。あの人、付き合わないと後で絡まれるんで」
苦笑交じりに小声で言うゴンさんたちに、相良さんは「どうぞ。こっちはお気になさらず」と快く返した。ふたりがカウンターのほうへ移動し、私と相良さんはまるでカップルシートに座っているみたいな状況に。
ちょっぴり緊張はするも気まずさなどはなく、むしろもっと深い話をしてみたいという好奇心が湧いてくる。
「でも、実際どうなんすか? パイロットってめちゃくちゃモテるでしょう。まだ独身なのが信じられない」
それは私もずっと不思議に思っている。ハイスペックな職業に就いているだけでなく、容姿は抜群で性格もよさそうなのに、なぜいまだに独り身なのか。
女性が放っておかないはずなのに、と私も気になって注目していると、相良さんは一度宙に目線をさ迷わせてから口を開く。
「俺は……」
彼がなにかを言おうとした時、出入り口のドアが開いて男性客がやってきた。そちらに目をやったゴンさんたちが「社長!」と声をあげる。
どうやら知り合いらしく、ゴンさんと遠野くんは渋々といった調子で腰を上げる。
「悪い、ちょっとだけ外すわ」
「すみません。あの人、付き合わないと後で絡まれるんで」
苦笑交じりに小声で言うゴンさんたちに、相良さんは「どうぞ。こっちはお気になさらず」と快く返した。ふたりがカウンターのほうへ移動し、私と相良さんはまるでカップルシートに座っているみたいな状況に。
ちょっぴり緊張はするも気まずさなどはなく、むしろもっと深い話をしてみたいという好奇心が湧いてくる。