このままいけば俺の勝ちだ。



勇、お前は俺に勝てねぇよ。



「奏斗ッ、パスッ!!」



オフェンス組の俺等は前へとつめる。



あと残り1分。



逆サイドには奏斗がいる。



決めてくれる、そう思った。



今、2対0。



あと1点入れたい。



キーパーまであと数メートル。



残すはキーパーを抜くだけ。



「行けッッ、奏斗――ッ!!」



ベンチからその大声が飛んだ瞬間。



奏斗は強く蹴る姿勢に入った。



しかし奏斗は逆を突いて、
ポワンとボールを浮かせた。



「彰っっ!!」



そして俺は押しのヘディングをした。