「……今度は死んでも彼女泣かせんなよ」



眼光は鋭いけれどいつもの兄貴の顔をした柊兄ちゃんの言葉を、俺は一生忘れることは無いだろう。



「……うん、ごめん。……朱那ちゃん……ごめんなさい。今まで、ありがとう」



するとくぐくもった小さな声が応えてくれた。



「……大好きだったよ…ありがとう」



その言葉だけで自分はどれだけ愛されていたかを痛感した。