弱々しく私を抱きしめ返すちえさんからは、いつものラベンダーの香りがした。



少し前の私へ、今ここにいたらなんて言いますか?



それでも信じてあげようよって言いますか?



多分……ちがう。



「母さん……?」



ちゃりっと鍵の音がしたのと同時に足音と不思議そうな男性の声。