「ち、えさん、」 震える唇で彼女の名前を呼ぶ。 「朱那ちゃん、ほんとうにごめん、……ごめんなさい……っ」 ちえさんのいつもの砂糖菓子みたいな笑顔も見えなくて、何だかそれだけで、玲於くんの事実はもう暴かれているみたいで。 泣き崩れて消えてしまいそうな彼女に力無く手を伸ばして抱きしめる。 本当は自分がいちばん辛かった。