雑念は命取り。


そんなことはわかっていた。

はずなのに……


私を呪い殺しそうなほど、不気味な笑みを浮かべた魔王が


「人間たちが魔王である俺様にひざまずくその日まで、オマエは断捨離(だんしゃり)と花嫁修業に励むんだな!」


持っていた剣を、ビューンと豪快に大振りしたから


「しまった」


強大な力を受け止めきれなかった私の刀が、払い飛ばされてしまった。

身を守る武器は、何一つない状態に。



……うっ。



魔王が剣を突き出している。

するどく研がれた剣先は、私の喉元すれすれに。



もうダメだ。

殺される。