「はぁ…はぁ…はぁ…」
 


屋上のドアにカギを差し込み、急いで扉を開けたけれど

空から落ちてきた女の子が、背中からコンクリートに叩きつけらる瞬間で



「……っ痛っ……」



その子は仰向けのまま、意識を失ってしまった。





もう少し早く、俺が駆けつけていれば。


コンクリートに打ちつけられる前に、大好きな子を抱きしめることができたのに。




痛感する無力さに耐えきれず、俺は自分の太ももをグーで殴る。



俺は勢いよく駆けだすと、コンクリートの上で瞳を閉じている陽彩ちゃんの前にしゃがみ込んだ。