黒髪に短髪で切れ長の目。

雪のように白い肌に、鼻筋の通った顔。


伏し目がちな冬野くんが、ゆっくりとわたしに目を向けた。


「白井さん、サンタなんて信じてるの?子どもだね」


そう言って、冬野くんはフッと口角を上げた。

その瞬間、わたしの顔は真っ赤に。


物静かで頭もよくて、そういうところが他の男の子と違って大人っぽく見える冬野くん。

そんなクールな冬野くんが、未だにサンタさんを信じているわけないとは思っていたけど、今…笑われたよね?


決して嫌な笑い方ではなくて、冬野くんらしいクールな微笑みではあったけど――。

…ものすごく恥ずかしい。


だって、好きな人に笑われてしまったのだから。


そう。

わたしは、冬野くんに中学1年生の頃から片想いをしている。


入学して同じクラスになって、廊下ですれ違ったときにあの人かっこいいなって思って。