オスのクリスと、メスのイブ。

プレゼントを待つ子どもたちの家を知っている特別なトナカイだ。


どれもとても便利な道具だけど、その力は毎年クリスマスの夜だけにしか現れないらしい。


「じゃあ、白井さん。今日の夜、頼んだよ」

「うん。がんばるね」


わたしはもう一度学校の制服に着替えると、いったん家へと帰った。


そして、夜の10時。


「おやすみなさい」

「おやすみ、恋雪」

「今夜は冷え込むようだから、温かくして寝るんだぞ」

「はーいっ」


リビングにいるお母さんとお父さんに声をかけて、パジャマ姿のわたしは自分の部屋へ行った。


そして、クローゼットから冬野くんから預かってたサンタさんのコスチュームに着替える。


そういえば、お手伝いをすることになったけど、わたしこれからどうしたらいいんだろうっ…。