それは、雪遊びで使うようなカラフルで小さなソリなんかではなく、まさしくサンタさんが乗るような大きなもの。


しかも、そのソリの上には大きな白い袋が――。

もしかして、プレゼント袋…?


ソリにプレゼント袋だなんて、それって本物のサンタさんみたい。


…あっ、もしかして!


「ここで、クリスマスイベントでもあるの?だから、サンタさんの格好をして、ソリやプレゼント袋も用意して本格的に――」

「違うよ」


見ると、冬野くんは眉を下げて困ったように笑っていた。


「パーティーに行くわけでもないし、イベントをするわけでもないよ」

「…えっ?じゃあ…」


冬野くんはトナカイの頭をなでながら、優しく微笑む。

そして、驚くべき内容を口にする。


「俺、サンタなんだ」


その言葉に、一瞬わたしはポカンとしてしまった。