そんな顔をしているのは、わたしも冬野くんも同じ。


「あ…あのっ…、今日もらったプリントを冬野くんが机の中に忘れているのに気づいて…。それで…」


そそくさと冬野くんに駆け寄ると、プリントを手渡した。


「あ…、ありがとう…」


ぎこちなくプリントを受け取る冬野くんの表情は、どこか気まずそうだ。


一瞬サンタさんかと思ってびっくりしたけど、クールな冬野くんがこんな格好をしたりするのが意外で、違う意味で驚いた。


「…似合ってるね、それ!」


背の高い冬野くんだから、サンタさんの服でも着こなしてしまう。


「これから、クリスマスパーティーにでも行くのっ…?」


そう尋ねてみたけど、ふと冬野くんの後ろにあったものに目が行った。


小屋の奥には、人が2人ほど乗れそうなソリが置いてあった。