白色のボンボンが垂れ下がった三角錐の形をした赤色の帽子を被って。

赤色の上着に赤色のズボンを身にまとい。

黒色のブーツをはいている。


そんな格好の人が、トナカイの体をブラッシングしている…!


――それはまさに。


「…サンタさん!?」


じわじわと興奮の熱が沸き起こったわたしは、思わずその場で叫んでしまった。


すると、サンタさんの動きがピタリと止まった。

そして、おそるおそるトナカイの体越しに顔を出す。


目が合って、わたしは息を呑んだ。

なぜなら、それはわたしの知った顔だったから。


わたしの手から、プリントがハラリと落ちる。


「白井さんが…どうしてここに…!?」


目を丸くしてわたしを見つめるその人とは――。

…隣の席の冬野くんだった!


今の状況が理解できない。