「あの〜…、すみません!冬野くんのおじいちゃんのお家ですかっ?」


しばらくドアの前に立っていたけど、中から返事はなかった。


…留守かな?


そう思っていると、隣にある家畜小屋のほうから物音がした。


もしかしたら、あっちにいるかもしれない。


しかし、手前にあった家畜小屋の中には、2頭のウシと4羽のニワトリしかいなかった。


すると、また物音が。

どうやら、もう1つ隣の家畜小屋にだれかがいるようだ。


「…勝手にお邪魔してすみません。わたし、冬野くんと同じクラスの――」


そう声をかけながら物音のした家畜小屋の中を覗くと――。

そこで目にした光景に、わたしは口があんぐりと開いてしまった。


なぜなら、そこにいたのは2頭のトナカイ。

それに驚いたわけではなく、そのトナカイの向こう側に赤い服を着た人が見え隠れしていた。