「ふふっ、内緒の話もいっぱいしてるもんね。ここでは言えないけど」

「うっわ! ずりぃな! 俺たちにも教えろよ~」

「なんで、成瀬くんに教えなきゃいけないのよ!? これは私と紗英の、女同士の秘密なんですぅ~」


 いつの間にか、以前の空気感に戻っていた。

 萌がいたときの、あの空気感に。


「萌が亡くなってしまったのは、俺も凄くびっくりしたし、辛い。でも、いつまでも下向いて生きてたら、アイツのことだから怒られそうだしな」

「そうだよ、雄輝くん! あのツンツンな萌のことだもん、『いつまで下向いてんの! 前向け、前を!』って言われちゃう」

「あははっ、ふたりとも、萌のことなんだと思ってるの……」