「あぁ。だからそれを聞いて、俺は萌のこと大事にしないと、紗英ちゃんに怒られそうって思ってたくらいだし」

 なんて言いながら笑う雄輝くん。

 萌がそんなことを雄輝くんに話してたなんて……知らなかった。
 私は萌に対して劣等感を抱いていたのに、萌は私のことを自慢してくれてたなんて。

(……ほんと何してるんだろう、私は)

 やはり、萌のほうが一枚上手だったんだ。もちろん、いい意味で。

「紗英、色々気づいてあげられなくてごめんね……。私も紗英には甘えてることが多かったから、負担とかかけてたならごめん」

「負担なんてかけられてないよ? 私は茜のこと一番の友達だって思ってるし、私も相談に乗ってもらってたでしょ?」