リユくんに抱っこされて戻る中、マオちゃんとバッタリ出くわしました。
「小宵!!」
「マオちゃん!」
「ちょっとリユ!小宵を離しなさいよっ!」
猫耳、猫尻尾を出したマオちゃんは、ふしゃーっと威嚇しながらリユくんから私を奪います。
「マオ、小宵は俺の彼女だよ」
ムッとしたリユくんは更に私を奪い返します。
「小宵はマオの親友だから!」
「俺の!」
「マオの!」
「ふ、二人とも痛いです…!」
「「あっ」」
これは、何と言ったでしょうか……。
二人の母親が子どもを引っ張り合う大岡裁きに似ています……。
「ごめんね、小宵」
「大丈夫?」
「だ、大丈夫です。それよりごめんなさい、マオちゃん…。
勝手に抜け出してきてしまって」
「大丈夫だけど心配したよ!リユに会いたかったの?」
「はい……」
「かわいいなぁ、小宵」
「だから小宵から離れろ!!」
このままでは埒があかないので、何とか二人を落ち着かせて私は先に寮に戻ることになりました。
今度こそ大人しく待っているのです。
放課後、リユくんとマオちゃんと元に戻る方法について相談することになりました。
「リユなんかと協力するのは嫌だけど、小宵のためだからっ」
「それはこっちの台詞」
「まあまあ……」
できれば仲良くしてくれると嬉しいのですが、なかなか難しそうですね……。