その夜、夢を見ました。

私の枕元に誰か立っているのです。誰なのかはわかりませんが、女の人の声が聞こえました。


「……くんは、私のものよ」


――何と言ったのでしょうか?

何だか、体が変な感じがします。

上手く言葉にできませんが、フワフワするようなフラフラするような……。
気持ちの悪い感覚です。

でも、きっとこれは夢でしょう――

瞼を閉じたまま、私はまた夢の世界に沈んでいきました。


* * *


「小宵!起きて!遅刻するよーっ」


……ああ、この声はマオちゃんですね。


「おはよう、ございます」


むくりとベッドから起き上がりました。

……あれ?何だかおかしいですね。

私の手足が短くなっている?
このベッド、こんなに広かったでしょうか?

あれあれ?
立ち上がっているのに、天井がとても高いです。


「え……、小宵?」

「マオちゃん、身長が伸びました……?」

「えーーっ!?小宵!?!?」


マオちゃんは寮中に響き渡るような大声で叫びました。


「ど、どうして!?どうなってるの!?」

「ええっと……?」

「鏡!これ見て!!」


マオちゃんに差し出された鏡を見て、ようやく私は理解しました。


「えっ、ええええ!?」


自分の姿が幼い子どもになっていることに。