リーンゴーン、ガーンゴーン

重たい授業の終わりを告げるベルが鳴る。

そう、あの初ミッションから時は過ぎ…

姉が居るということで高等学校に復帰することになったのだ。

(面倒くさい。学校なんて…。)

「うわ、アクリスのやつ!学校に復帰してきたぞ。」

「何考えてんのか分かんないし、怖え〜。」

ジト目で同級生達はコソコソと噂話、陰口。

「はぁ…、全部聞こえてんだけど。」

アンティーク調の椅子に座って頬杖をしたまま、俺はしれっと言う。

「うわぁ!?ご、ごめん。」

「別に。」

そんな感じで、まぁ…友達が極めて少ない。

「アクリスくん、今日もクールだねっ。」

「カッコいい〜♡」

廊下で女子に騒がれていることに気づいていれば、まだ人脈があったかもしれないが。

「アクリスくん、このインク綺麗じゃない?」

それでも、唯一話しかけてくれる同級生が居る。

「…リアネッサ。」

その名はリアネッサ・キノカ。

インクを作る会社の社長、ケルテの愛娘だ。