僕は、大急ぎで家を出て行こうとするティムを止める。

「待って。あのモンスター、何だか様子がおかしい」

窓から見えるモンスターを見つめながら言った僕の言葉に、皆は「え？」と同時に反応した。

「まず、あのモンスター……本来は、夜行性なんだ。この時間に起きてる個体とかはいるけど、夜みたいに凶暴になることはなくて、物凄く大人しい。それに、目付きも違う気がするな……何だろう、この違和感……」

僕はモンスターと村人が戦ってる様子を窓から窺いながら、色々と考える。そして、アーサーとティムの方を向いた。

「アーサー、ティム……もしかしたら、あのモンスター……呪具の力によって、様子がおかしくなってるのかもしれない」

僕の言葉に、ティムは「呪具！？」と驚いた顔をする。

「…………呪具、か……この家に、呪具による呪いを解く道具があったような……悪いんだけど、ティムはここに残ってくれない？」

ティムのお父さんの言葉に、ティムは「……分かった」とどこか納得のいかない様子で返した。

「その間、俺はモンスターの退治に行くな！倒せなくても、足止めくらいは出来る！」

そう言って、アーサーはティムの家を飛び出す。

「アーサー！待ちなさい！！」

アーサーを追いかけるように、アーサーのお父さんはティムの家を出ていった。