「ーー弾け」

バチッと音がして、杖先に走ってた稲妻が消える。

「アーサー!退け!!」

僕が声を出すと、アーサーは僕の方を見てからその場から大きく飛び退いた。

「終わりだ。ーー闇を以て、闇を祓え」

モンスターの近くで、黒い雷が弾ける。それがモンスターに当たって、モンスターは吹き飛んだ。そのまま、モンスターは空気に溶け込むように消えてく。

「ふぅ……」

息を吐いて、僕は構えを解いた。アーサーは剣を鞘に納めると、僕に近づいてくる。

「ルーチェ、さっきの魔法……すごいな!かっこよかったぞ!」

「ありがとう。アーサーも、前よりもいい動きをするようになったじゃん」

僕がそう言って微笑むと、アーサーはどこか照れたように笑った。

「そうだ。2人とも、大丈夫ですか?」

僕は、2人の方を向く。2人は、驚いた顔をしてた。

「……さ、さっきの……」

「ん?あれは、魔法だよ」

「あれが、魔法なのか!?」

……この反応……もしかして、魔法を初めて見るのかな?

「……もしかして、初めて見る?」

僕が問いかけると、2人は同時に頷く。

「聞いたことはあった。これが、魔法……本当に、ここは異世界なんだな!」