村から離れた場所に着地した八咫烏から僕らが降りると、八咫烏は元の大きさに戻る。

そこから、僕らは歩いて村に向かった。

村に入ると、この村の人は「こんな小さな村に良く来てくださいました」と声をかけてくる。

「初めまして。この村で、暴れているモンスターがいるという噂を聞いたのですが……」

僕が声をかけると、村人は「はい。その噂は本当です」と不安そうな顔をした。

「僕らは、そのモンスターを退治するためにここまで来たんです」

ティムの言葉に、村人は「本当ですか!?」と目を見開く。僕が頷くと、村人は「では、村長のもとに案内します」と歩き出した。

村人のあとを、僕は追いかける。

村人はとある家の前で立ち止まると、ドアを叩いた。すると、1人の男性が出てくる。

「どうした?」

「村長……実は、暴れるモンスターを退治しに来たという者が……」

村人の言葉に、村長さん……かな?は僕らに目を移した。

「……君らが……分かった。初めまして。私は、この村の村長を務めているものです。詳しい話は、中で。入って来てください」

村長さんは、そう言って微笑んだ。僕らは、村長さんの家に入る。村長さんに案内されて、僕らは部屋に入った。

「エリカにカナタ。何をしている?」

部屋に入ると、椅子に登った青髪の少女と金髪の少年が本を取ろうと手を伸ばしてるのが見える。