それから、少し間を置いたレオンさんは「不安だろうけど、君らなら出来る」と微笑んだ。

それから、僕らはレオンさんと別れて任務場所へと巨大化した八咫烏に乗って移動する。

「……そういや、アーサーとティムってさ……レオンさんと一緒に任務に行ったりするの?」

「あぁ。何回も行ってるぞ。レオンさんがいない任務は、今日が初めてだな」

「そっか……これから、レオンさんが同行しない任務の回数が増えそうだね」

「そうだね……僕とアーサーは、冒険者になりたいから。ルーチェは、冒険者になりたいとは思わないの?」

ティムの問いかけに、僕は「思わないよ」と返した。

「大賢者になりたいとは思うけど、冒険者になりたいとは思わないかな。ずっとクラル様にお仕え出来たら、それでいい」

任務地に着くまで暇で、3人で色んな話をする。少し話してると、八咫烏は高度を下げた。

「お、そろそろ着くかな。こんな場所に、村ってあるんだね」

僕が平原にある小さな村を見て呟くと、アーサーは「森の中で暮らしているお前が、それを言うか?」と呟いた。それを聞いたティムは「はは……」と苦笑する。

『離れた場所に着地します』

八咫烏の言葉に、僕は一言「分かった」と返した。