「呪具のある場所は、いずなが知ってる……ルーチェ、そろそろ行こうか……いずな、案内頼める?」

ビオラさんの言葉に、いずなは『分かりました』と頷くと歩き出した。

僕は僕の実の両親であろう2人に会釈すると、いずなの後を追いかける。

いずなは部屋の奥へと進むと、部屋の前で立ち止まった。

『この中です』

「この部屋……物置部屋だ……」

ビオラさんはそう呟いて、部屋のドアを開ける。いずなは、部屋に入ると迷うことなく呪具があるであろう場所に向かった。

『この箱の中に、入っております』

木で出来た小さな箱を、いずなはじっと見つめてる。僕はその箱を手に取ると、箱の蓋を開けた。

「……指輪?」

箱に入ってたのは、銀色の、小さな紫色の宝石の埋め込まれた指輪だった。箱から、指輪を取り出してみる。

『はい。その指輪は、紛れもなく呪具です。武器だけが、呪具とは限りません。その呪具の力は、またその時が来たらお話しします。呪具の力を、今のルーチェ様に使いこなせるかどうか……呪具の力を話す際、一緒に僕が呪具使いを探していた理由も説明します』

「……分かった。いずなが話したい時でいい」

どこか焦ったような様子のいずなにそう返して、左手の人差し指に指輪を嵌めた。指輪は光に包まれると、ピッタリのサイズになる。