「……分かりました。失礼、します……」

僕は、少し抵抗を感じながら家に入る。ビオラさんに案内されて、両親がいるという部屋へと向かった。

「母さん、父さん。入ってもいい?」

ビオラさんがドアをノックすると、中から「良いよ」と声が聞こえてきて、ビオラさんはドアを開ける。

「……」

部屋に入ってくビオラさんの後ろ姿を見つめながら、その場で立ち止まってるとビオラさんは「入ってきても、いいよ」と僕の方を振り返った。

「……そこにいるのは、さっきビオラが言っていた子かな?」

優しそうな声が、部屋から聞こえてくる。声がした方を見てみると、僕と同じ黒髪の女性が優しく微笑んでた。

「……初めまして、なのかな……?僕は、ルーチェ・クロウディアと言います……」

自己紹介をすると部屋にいた女性と男性は、同時に「え!?」と声を出す。

「今から、ちゃんと話すから……」

ビオラさんは、そう言ってから今日の出来事を話した。この家にある呪具を求めて、ここに来たということも一緒に。

「なるほどね。奇跡って起こるもんなんだね……今は、ルーチェって名前か。いい名前、もらったんだね」

そう言って、女性は微笑む。

「……この家にある呪具……そういや、そんなのがあったような……どこに置いたっけ……」