「……それは、ルーチェ次第だね。ルーチェが、生まれであるクロウディア家のことを知りたいと望むのであれば、俺は止めない」

「……僕には、クロウディア家にいた頃の記憶は何もありません。思い出そうとすると、頭が痛くなる時があります……だけど、僕は知りたい。思い出せなくてもいいから、また忘れてしまってもいいから、僕にも教えてくれませんか?」

そう言っていずなを見つめると、いずなは『分かりました。ビオラさん、説明をお願いしていいですか?』とビオラさんを見る。

「…………やっぱり、僕がするのか……そんな気は、してた……分かったよ」

ビオラさんはそう返事をして、クロウディア家について話してくれた。

内容をまとめると、クロウディア家には呪い耐性の高い子は家から追い出さなければならない、という風習があるらしい。その風習のせいで、僕は捨てられたという。

僕の実の兄であるビオラさんは、僕よりも6歳年上だそう。ビオラさんは、僕が生まれてから捨てられるまでのことを話してくれた。

僕の生みの親は、僕が呪い耐性が高いと知った時、最初は他のクロウディア家の知られないように必死に隠してたんだけど、バレてしまって捨てるという選択肢を強制させられたそうだ。

それから僕の生みの親は、どうしたら僕を生かせるか、捨てずに済むかをずっと考えてたらしい。