レオンさんの声に、動物は『はい。まさに、その通りです』と頷く。

『申し遅れました。僕の名前は、いずな。呪具の化身です……そして、先程はいきなり攻撃を仕掛けてしまい、すみません』

「皆が無事だったから、別にいいんだけど……どうして、このようなことをしたの？」

『呪具使いを探すためです』

「呪具使いを……探すため……？」

「八咫烏から聞いたけど、呪具の化身は誰が呪具使いであるのかを判断することが出来るらしいよ。呪具を見ただけで、呪具の力を知ることも出来るらしいね」

そんな声がして、僕は声がした方を見た。そこにいたのは父様で、父様の肩に止まってた八咫烏は僕の姿を見ると飛んで僕に近づいてくる。

『主人、ただいま戻りました』

「おかえり、八咫烏」

「あれ？父様……もう戻ってきたんだ……あと1時間くらいはかかるって思ってた……」

クラル様の言葉に、父様は「八咫烏のおかげで、予想していたよりも早く終わったんだ」と微笑んだ。

「それで、いずなって言ったっけ。どうして、呪具使いを探してたの？」

「その話は、帰ってからにしない？ここは、安全とは言い難いし……」

父様の言葉に、僕は「それもそうですね」と答える。