「……レオンさん……クラル様……」

「八咫烏が嫌な予感がするって言うから、僕だけ先に戻ってきたんだ。その途中、レオンさんと出会って……レオンさん、助かったよ……ありがとう」

僕を少しの間見つめたクラル様は、安心したような顔してからレオンさんにそう言った。

「どういたしまして。ルーチェくん、大丈夫?」

僕に近づきながら、レオンさんは問いかけてくる。僕が頷くと、レオンさんは微笑んでから僕の後ろにいる男性に目を移した。

「……君、クロウディア家の……」

レオンさんの呟きに、僕は「え?」と首を傾げる。

「……とりあえず、俺はあの子の側にいる。あのモンスターは、クラルくんとルーチェくんに頼もうかな」

僕を少しの間見つめてたレオンさんは、そう言って男性に向かって歩いてく。

……レオンさんの呟きも気になるけど、近くには敵がいる。まずは、そっちに集中しないとね。

モンスターが吹き飛んでった場所に顔を向けると、僕の近くにいたクラル様と目が合う。

「……」

僕は無言で頷くと、杖を構えた。クラル様は、頼りにしてるよ、と言いたげに微笑むと頷いて立ち上がってたモンスターに顔を向ける。

「行くよ、ルーチェ」

剣を構えて、クラル様は走り出した。僕は1つ返事をすると、クラル様の後ろから攻撃魔法を放って、クラル様に当たらないように魔法をコントロールしてモンスターに当てる。