僕は父様に微笑むと、アーサーとティムの方を向いた。

「2人とも、移動しようか」

僕は2人を連れて、僕がいつも魔法薬を調合するのに使ってる部屋に向かう。

「……すげぇ。これ全部、お前が作ったのか?」

部屋の色んなところに置かれてる魔法薬の入った瓶を見て、アーサーはそう呟いた。

僕は「そうだよ」と頷くと、武器の強化に使える魔法薬の中から2人に良さそうなものを選び始める。

……とりあえずは、この魔法薬を試してみようかな。この特訓を通して、合わなさそうなら効果を変えたら良いし……。

そう思いながら僕が手に取ったのは、武器の耐久力を上げる効果のある魔法薬と魔法の威力を上げる効果のある魔法薬。

2つの魔法薬の効果を、僕は2人に簡単に説明した。

「魔法の威力を上げる……?僕、攻撃魔法は苦手なんだけど……」

「魔法の威力が高ければ高いほど、回復量も多くなるって聞いたことがあるから、ティムにちょうどいいかなって思ってこれを選んだの。合わなさそうなら、別のも試そうと思うから遠慮なく言ってね」

僕がそう言うと、2人は同時に頷く。そして、レオンさんからもらったという2人の武器を強化してから部屋を出た。

「ルーチェ、ちょうどいいところに……そろそろ、特訓を始めようか」

たまたま廊下で会った父様に話しかけられて、僕らは返事をする。

そして、皆で庭へと向かった。