僕が首を傾げると、アーサーは「人によっては、失礼に聞こえるかもしれないが……」と少し言いづらそうな顔をする。

「ルーチェって、前世の頃と全然違うよな。まさに
光って感じ。前世の頃は、根は優しいけど冷たい時もあったし……今は、その冷たさがないというか……」

アーサーの言いたいことが理解出来ずに、僕は首を傾げた……けど、それがティムに伝わったのか、ティムは「アーサーの言いたいこと、分かるよ」と頷いた。

「えっと……前世よりも優しくなったねってアーサーは言いたいんだよ」

「分かりにくい言い方をしないでよ」

僕がそう言うと、ティムは「アーサー、たまにこういう言い方をするんだよな……」と呆れたように言う。

「……仕方ねぇだろ。上手く言葉が出てこないんだ」

そんな会話をしてたら、部屋のドアがノックされた。

「ルーチェ、ちょっと良い?特訓はまだなんだけど、その前にルーチェに頼みたいことがあって……」

ドア越しから聞こえるのは、父様の声。僕は「何だろう……」と呟くと、ドアを開ける。

「急にごめんね。レオンから、アーサーくんとティムくんの武器を強化をするようにルーチェに頼んでくれって、お願いされたんだ」

「はい。大丈夫ですよ」