「……じゃあ、俺は今日は帰るよ。魔法薬の材料を買わなきゃだし、資料を作っている最中だから。評価は、また後日するね……アーサーくん、ティムくん、ルーチェくん。またね……また返事を聞かせてね」

レオンさんは、僕らに手を振ると正門がある方へと歩いていった。

「……さっきの、レオンらしくない提案ね。でも、それだけ今の冒険者育成学校に嫌気が差したってことかしら……」

母様の呟きを拾った父様は、「多分、それもあるだろうけど……アーサーくんたちを見てて、自分の手で強くしてみたいって思ったんじゃない?」と言った。

「それもありそうね……私とクロードは、もう帰るけれど……ルーチェはどうする?」

母様の問いかけに、僕は少し考える。

「僕は、時間になるまでアーサーたちとお話をしようと思います。もう少し、一緒にいたいので」

僕がそう答えると、母様は「分かったわ」と返事をした。父様は「アーサーくんにティムくん。またね」と手を振って、僕らに背を向けると歩き出す。

「……あ、そうだ。忘れないうちに、皆に言いたいことがあるんだ……」

そう言って、僕は再び冒険者育成学校の生徒と向かい合った。

「……二度とアーサーとティムのことを悪く言うな!!次も友だちのアーサーとティムを傷つけるようなら、僕は君らを絶対に許さない」