「……冒険者育成学校を辞めて、俺のもとで冒険者になるための修行をしない?俺なら、2人をもっと強く出来る。ルーチェくんとも、冒険者育成学校にいるよりもいっぱい会えるよ?……まぁ、これは2人にとって大きな選択だ。ゆっくり考えるといい。俺は、本気で言っている。そのことだけは、忘れないで欲しい」

「……レオンがその提案をするの、珍しいね」

いつの間にか僕らの近くにいた父様が、話しかけてくる。レオンさんは「クロード、いつの間に……」と驚いた顔を見せた。

「私もいるわ。レオン、久しぶりね」

父様の後ろから顔を覗かせたのは、母様。母様の姿を見て、レオンさんは「ノアちゃん!?」と声を出す。

「父様に母様、どうしてここに……?」

僕が問いかけると、父様は理由を話してくれた。

2人でカラミティに来てたら、冒険者育成学校にドラゴンが現れたという話を聞いて駆け付けた……けど、駆け付けた時には、ドラゴンは逃げていって少し校長先生と話をしてた……らしい。

その後に、レオンさんは僕らの今日の様子を話す。

「……そっか。3人とも、よく頑張ったね。レオンもありがとう。無茶な頼みを聞いてくれて」

そう言って、父様は微笑んだ。父様の言葉が嬉しかったのか、アーサーとティムの目には涙が浮かんでる。