……レオンさんの言う通りだ。アーサーは、剣術士の称号を持つ父様とクラル様の動きとは違った。何て言うんだろ?1人で倒さなければいけない、早く倒さなければいけない。そう感じさせるような動きだった。

「……このままだと話が長くなりそうだから、この辺にするね。ルーチェくんもしんどいだろうし。アドバイスは、後にして……この戦闘は、攻撃力の高いアーサーくんの力が必要になる。手伝ってくれる?」

レオンさんの言葉に、アーサーは「はい!」と返事をする。

「ありがとう。じゃあ、行くよ……まずは、ドラゴンの背後に回ろう。ルーチェくん、頼んだよ!」

「はい。任せてください!」

僕が返事をすると、レオンさんとアーサーは移動を始めたのか、レオンさんの声がだんだんと遠ざかっていった。

それから数分後、近くに雷が落ちたかのような音が響く。それと同時に、攻撃が止んだ。

ドラゴンは羽を広げて空高く飛び上がると、どこかへと飛び去っていく。ドラゴンの姿が消えるまで空を見上げてた僕は、アーサーたちのいる場所に向かった。

「……うん。上手くいったね」

レオンさんは、優しく微笑む。その目は、アーサーに向けられていた。

アーサーは、信じられない、と言いたげな顔でさっきまでドラゴンのいた場所を見つめてる。