盾に、ヒビが入る音がした。

それに驚きながらも、僕は盾が割れないように魔法を強化する。

……お願い!耐えて……!!

「ルーチェくん!可能なら、そのまま魔法を維持し続けて!ドラゴンは、その場から動いてない。多分、攻撃が当たっていると勘違いしているかもしれない!出来る範囲でいい。ドラゴンの気を、俺らから逸らして欲しいんだ!」

レオンさんの声がして、僕は「分かりました!」と返事をした。ティムに、アーサーたちのサポートに回るよう指示をする。

ティムは1つ返事をすると、僕から少し離れたところにいるアーサーに近づいた。

…………この魔法……ドラゴンの攻撃をどれだけ耐えられるんだろう。まだ魔力は残ってるとはいえ、この炎の威力は強い。魔法を強化しながらだから、いつもよりも魔力の消費するのが早いんだよね……僕の魔力が尽きるまでに、ドラゴンを倒せると良いんだけど……。

「アーサーくん。俺は、今からアーサーくんの剣に光属性を付与する。属性を付与した剣で、ドラゴンを倒して欲しいんだ」

「俺が……ですか?」

「そうだよ。アーサーくんは、攻撃力は高いけど次から次へと攻撃を入れるからすぐに体力を使い果たす……言い換えれば、長期戦には向かないタイプだね」