「ルーチェくんの魔法は……威力は低めだけど、魔力の量が多いから連発が出来る。威力の低さを、呪具の力で補っている感じかな……ルーチェくんは、魔法の才能がある。ルーチェくんなら、大賢者になれるよ。絶対に……応援しているよ」

「……！」

レオンさんの言葉に僕は驚いたあと、「ありがとうございます。大賢者になれるように、頑張ります」と微笑む。

視界に映ったティムは、良かったね、と言いたげに優しく微笑んでいた。

そして、僕らはカラミティ目指して再び歩き出す。

カラミティにある冒険者育成学校に着いて、まだ帰って来てない生徒たちを校庭で待っていた。他のチームにいた同行者たちは、用事や仕事があるのかもう帰ったようだ。

レオンさんを含めて、皆で雑談をしていた。その時だった。

校庭に、他の個体より小さなドラゴンが着地する。ドラゴンが咆哮を上げると、ぶわりと凄い風が起こった。

「……何だ？どうして、この地域にいるはずのないドラゴンがここにいるんだ？」

レオンさんは、ドラゴンを見つめながら呟く。

ドラゴンは僕らの暮らす地域から、ずっと遠く離れた場所で生息する希少種だ。

ドラゴンは、口から炎を出した。その炎は、ティムに向かって飛んでいく。

「ティム！」

僕はすぐにティムを守るように立つと、魔法を使って目の前に盾を作り出した。その瞬間、炎が盾にぶつかる。