「それはないよ。リーダーだったら、他にも同じ個体のモンスターがリーダーの周りにいるはずだから」

「……その通りだよ。ルーチェくん、詳しいんだね」

レオンさんの言葉に、僕は「クラル様に、このモンスターについて教えてもらったことがありまして……」と微笑んだ。

「クラルくん、魔物使いの称号を持ってたんだっけ……魔物使いの称号は、モンスターの知識がある程度ないともらえないし……」

「……ルーチェにレオンさん」

2人で話してたらティムに話しかけられて、僕は「ごめんね。今は、任務に集中……だよね」と2人に謝ってから持ってた杖を握り直す。

その瞬間、モンスターと目が合う。モンスターは、いきなり僕らに襲いかかってきた。

僕はその場から後ろに大きく飛び退いて、モンスターから距離を取る。

「……あのモンスター……目が合っただけで襲いかかってきた……?そこまで、凶暴じゃなかったはずだけど……アーサー!援護する!」

「俺は、静かに見てようかな。本当は、俺も参戦したいんだけど……クロードと校長先生に、出来るだけ手を出さないように言われているんでね。危ないって感じたら、俺も参戦するから安心して。良い機会だ。ルーチェくんの魔法も見せてもらうよ」

レオンさんはそう言って、僕らから距離を取った。