僕が驚くと、レオンさんは「そうだよ」と頷いた。

レオンさんって、ずっと魔法薬の研究ばかりしてるイメージあったんだけど……。

「といっても、昔の話だけどね。今は、魔法薬の研究しかしてないね」

そう言ってから、レオンさんはアーサーたちに視線を移す。

「初めまして。今日から、君たちのチームに同行させていただきます……光属性の魔法を得意とする、大賢者兼剣術士のレオン・アレクサンダーです」

「大賢者!?」

レオンさんの自己紹介に、僕は驚いた。

「魔力は多くないから、ルーチェくんみたいに魔法を連発することは出来ないけどね。ルーチェくんには、内緒にしていたんだ。ルーチェくん……大賢者目指しているし、憧れでもあるから黙っていた方が面白いかなって……」

そう言って、レオンさんは笑う。レオンさんの笑顔を見て、僕は苦笑した。

「……とまぁ……そういう訳で、これからよろしく頼むよ」

「よろしくお願いします……冒険者育成学校所属、剣術士見習いのアーサー・ウィリアムズです」

「冒険者育成学校所属、治療師見習いのティム・ラファールです。よろしくお願いします」

見習いか……確か、冒険者育成学校の生徒にのみ与えられる特別な称号だったよね……見習いは、本来の称号よりも下の階級……と言ったほうが早いだろうか。

「アーサーくんにティムくんだね……よし、覚えた!ルーチェくんも、これからよろしくね」