「大丈夫です。クラル様は、少し休んでてください」

僕の言葉に、クラル様は「……分かったよ。ルーチェがそこまで言うなら……」と返事をしてくれる。

クラル様が僕から離れたのをチラリと確認してから、アーサーたちに視線を向けた。

「……確かに、また会えたらいいなって言ったけど……こんな形で会いたくはなかったな」

杖を、僕はアーサーたちに向ける。アーサーとティムも、戦闘態勢になった。

「戦いながら、ここに来た理由を説明してもらおうか」

僕は魔法を放つのに必要な呪文を唱えることなく、闇属性の魔法をアーサーとティムに向かって放つ。

僕の攻撃を、2人は武器を使って弾きながら避けていった。

「……答えてよ!どうして、君たちが……クラル様を傷つけようとするの!?」

僕の問いかけに、アーサーは口を開く……けど、少し躊躇ったような顔をしたあと、口を閉ざす。何かを言いたいけど、クラル様やモンスターたちがいるから言いづらい。そんな感じがした。

どうしようか少し考えた後、僕は八咫烏に声をかけて巨大化してもらう。

八咫烏は巨大化できて、僕はたまに八咫烏に乗って空を飛ぶ時があるんだ。

「…………アーサー、ティム。少し、僕と空を飛びに行こう」