僕がそう言うと、アーサーとティムは同時に「大魔導師!?」と言う。

「お前、確か俺らと同い年だったよな……?17歳で、大魔導師……?」

「ちょっと、そんなに驚かなくてもいいでしょ?確かに僕、最年少で大魔導師の称号を取った……らしいけどさ……」

僕の言葉に、ティムは苦笑した。

少しティムの後をついて歩いてると大きな建物が見えてきて、ティムは「あれが、冒険者育成学校だよ」と教えてくれる。

冒険者育成学校の正門……だと思う場所に、父様と白髪の男性が立っていた。2人は、楽しそうに何かを話してる。

「父様、遅れてすみません!」

父様に向かって走り始めると、父様は僕の方を見た。

「……ルーチェ?どうして、お前が冒険者育成学校に?」

「クラル様は、急用で来られなくなって……代わりに、僕が来たんです」

簡潔に理由を説明すると、父様は「なるほど、事情は分かった」と微笑む。

「……その子は?」

白髪の男性の問いかけに、父様は「訳ありで、この子が小さい頃からうちで育てている子です」と返した。

「初めまして。ルーチェ・クロウディアと言います」

僕が名乗ると、白髪の男性は「……そうか。わしは、冒険者育成学校の校長を務めている者じゃ」と僕を見つめる。