「……どうして、それを……」

「アーサー、いきなり聞かないの。聞きたいのは、分かるけど……」

前を歩いてたティムさんが、アーサーさんにそう言ってから色々と説明をしてくれる。

2人も、前世の記憶を持ってるらしい。そして、2人は僕の前世からの友だちで、この世界に来る前に神様から僕がこの世界にいること、僕の今世の名前を聞いたんだって。

それから、2人には呼び捨てで良いって言われた。

「……そうだったんだ。冒険者育成学校に通ってるってことは……2人とも、冒険者になりたいの?」

「冒険者やってます……とか、かっこいいだろ!」

アーサーさん……じゃなくて、アーサーの答えに僕は苦笑する。

「ルーチェ、知ってた?似たようなこと、前世から言っているんだよ?」

ティムさん……いや、ティムの言葉に僕は「そうなんだ。それは、知らなかったな」と呟いた。

「……本当は、アーサーも僕も、モンスターから、魔王から、皆を守りたいから冒険者を目指すようになったんだよね……話は変わるんだけど、意外だったな、ルーチェが冒険者育成学校に入学しなかったの。ルーチェも、冒険者になるもんだと思っていたから……」

「……僕はもう大魔導師の称号を持ってるから、通わなくても冒険者になれるんだよね」